PPバンド・ベビーブロックのかごバッグ
以前作った鉄線編みのかごバッグと同じ、3方向3色模様を折りカラー編みで試してみました。色とサイズは違いますが、同じベビーブロックです。

斜め編みと違って3軸だと、全ての色の置き変えを折り返しで済ませることは難しそうです。底での色替えと併用とし、横ひも6本、真ん中で2色を重ねました。底の長方向となる、いちばん処理しやすい場所です。
折り返し前はこんなです。ここから、縁の中央となる3本を折りカラー編みしました。

完成した底はこんな感じ。模様はあまり考慮せず、側面からの折り返しを長めに差し込みました。

先に、底でバンド色を切り替えた時と比べてみました。
比較ポイント | 底での色替え | 折りカラー編み |
---|---|---|
横ひも、3本、2箇所の処理 | 各側面異なる色になるよう、底で2色を重ねる(難易度低) | 同左 |
斜め60度と120度・短辺となる3本、4箇所の処理 | 各側面異なる色になるよう、底で2色を重ねる(難易度高) | 倍の長さのバンドを折って重ねる |
色替え処理の手間 | 短辺の六角形箇所に集中するので、編み目と合わせて、ちょっと手間がかかる | 折り返しに手間がかかるが、編まれているバンドに重ねるだけなので意外と簡単 |
必要なバンドの長さ | 底で重ねる分、長くなる | 側面を折り返す分、長くなる |
かごの高さ | 自由に作れる | 折り返し位置固定 |
斜め編みほどのメリットはなさそうですが、作り方のひとつの選択肢にはなるのではないでしょうか。
CraftBandHexagonのデータです。
PPバンド・ざんねんなギンガムチェックのかご
折りカラー編みで、縦・横2色で試してきましたが、色を増やすとどうでしょう。
まずは3色で試してみました。横はブラウン1色、縦はこげ茶と白の交互です。できたのがこちら。

この方向から見ると、それらしくはあるのですが、
ざんねん1: ブラウンのバンドが少し透けているため、重なった下の色(白かこげ茶か)で色味が異なります。表と裏への折り返しの不連続性が、見えてしまうのです。
ざんねん2: 側面全体で2か所、同じ色のバンドが続く箇所ができています。下の写真で矢印で示す方向のラインです。

特に、ざんねん2は、続き模様としては致命的でしょう。
横の四角数12・縦の四角数6・高さの四角数9で、縦横はともに偶数です。奇数だと対称になるから、同色の続きがなくなるかというと、そうでもない。
結局これは、2点(こげ茶と白)の繰り返しに対しては避けられないことのようです。前面と背面・左面と右面は、長方形の底の両側に位置しますから、相対する2つの面のバンドが回転対称ではなく面対称になってしまうのです。
データです。半分の高さで折りカラー編みしてください。
斜め網代編み2色のバッグ
折りカラー編みについて、平編みで説明しましたが、同じバンドの並びであれば編み目を変えても同様にできるはず。網代編みで試してみました。
ドット模様と同様、先にPPバンドで網代編みを試作した時は底で2色を重ねましたが、折りカラー編みでは底はそのままなので簡単です。3つ飛びなのでクラフトバンド/紙バンドで、側面の模様がわかるようにバッグにしてみました。

すき間は0.4ミリにしました。6本幅で3つ飛びなのでもっと詰められるのですが、厚みのあるバンドで折り返し効果がわからないし、初めてのバッグだしで、かなりな安全値です。編みやすかったのですが、出来てみると不均一で、もう少し詰めてもよかったと思いました。
底と内側です。

折り返しについては、底まで伸ばすのは全体ではなく外側になる分だけとし、内側は6センチほどにしました(でも、ちょっと少なすぎでした)。底での縁の始末は短辺側ですが、長方形の入れ子の長桝網代編みですから、中央まで伸ばすより合っていると思います。
今のところ、CraftBandSquare45では、それぞれのバンドに加える「ひも長加算」が1点しか設定できず、加算値はバンドの両側に均分されます。でも、外側になるバンドは片側だけなのです。
ですので、[プレビュー]は下図のようになりますが、実際に編むときは、底の長方形の短辺側に寄せました。左側の図、赤と青の4箇所の平行四辺形部分、点線部分を実線部分に移動です。そして、部分的に長いバンドの状態を側面まで編んだのが右写真です。

縦横と高さの条件は、先の適用例と同じです。
- 横の四角数 23
- 縦の四角数 11
- 高さの四角数 17 = (23+11)/2
折り返し位置は、白のブロックと茶色のブロックが交差する対角線となります。3つ飛び長方形の真ん中です。
CraftBandSquare45のデータです。底の配置は上述のように調整してください。
さて。出来たバッグを見た一般人Aさん曰く。
外側?普通じゃん。単なる線だし、不揃いだし。
それより内側の模様の方が、ダイナミックでカッコいいじゃん。
「角が茶色と白の箱」の呪縛、恐るべしです。まぁ確かに、下手なので、重ねたバンドは少しずれてしまっていますが。
北欧編みの2色の小かご
以前、北欧編みの小かごを作りました。その同じサイズを、折りカラー編みで2色にしてみました。同じように持ち手もつけてみました。

普通の12本幅のクラフトバンド/紙バンドですので、作れるんだろうかと思いつつだったのですが、何とかなるものですね。地はバンドが4重、持ち手の差し込み位置に至っては6重になっているのですが、それがぷっくりした形になって、むしろカワイイかも。すき間も埋まりました。
内側と底はこんな感じ。

横の四角数5・縦の四角数3・高さの四角数3です。全クロスの高さは(5+3)/2 = 4ですので、高さはマイナス1、底の4端を色替えしました。
内側からの底編み図です。

縁の折り位置。横の四角数に対応した5点を外側にした方が作りやすいです。

データです。
こんな感じで編みました。
動画で使っている底編み図の実寸pdfです。枚数が多いので、底部分だけ印刷してもよいかも。
『折りカラー編み(OriColorWeave)』斜め編みの高さ
先稿で、折りカラー編みの適用例として縦横二色の斜め編みを説明しました。
最初に底をクロスに作る場合、作ることができる「かご」の高さは (縦+横)/2 の 倍数ですから、縦横の四角数が決まればほぼ決まります。最小値は、バッグとして不自然ではないバランスですので、十分使える値だと思いますが、高さを変えて作ることはできないのでしょうか。
実は、変えられるのです。実際、北欧風市松模様のかごは、式の半分の高さで作りました。そして更に、先に試した横の四角数4・縦の四角数3で、高さを変えて2個、作ってみました。

高さを変えるには、底のバンドの並びを変えます。並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに、高さがひとつずつ低くなります。
今の例では、(横の四角数+縦の四角数) / 2 である高さは3.5です。上の写真は、左が高さ2.5・右が高さ1.5で作りました。3.5と合わせて、3点のプレビュー図を並べてみましょう。

このように、折り返しの縁のラインを合わせてみると、クロス(格子模様)が同色のブロックに変わっていく位置を、順に底にしている、ということがわかります。
そして、先と合わせて4つのかごの底を並べてみると、こうなります。

高さによらず、同じ模様が現れてくるのです。考えてみれば、底の辺は、すべて側面が同じドット模様になるバンドの並びで出来ているわけですから、中も同じになって然るべきなのでしょう。でも、最初に作る底が違うので、作ってみるまでわかりませんでした。
内側はこんなです。右の2点は、底が浅いので底までバンドを折り返し、その結果、底と同じ模様になりました。左の2点は、側面の下段でカットしているため最初のクロス(格子模様)が保持されています。

どの高さにおいても、左の2点のかごのように高さにプラス3.5で作ることは可能ですから、斜め編みでは、縦・横・高さは任意で、クロスに揃ったかごを折りカラー編みできる、と言えましょう。
上の2点のかごのデータをつけておきます。
側面全体をクロスにする時の バンドの配置ルール:
並べた縦横の両端、ひとつ変えるごとに高さがひとつずつ低くなる
については経験則で、数学的に証明[※]されたわけではありませんが、もうひとつのかごバッグ、横の四角数10・縦の四角数5の例でも同様、ということを示しておきます。
縦横2色のクロス

端から1本、高さマイナス1

端から2本、高さマイナス2

端から3本、高さマイナス3

端から4本、高さマイナス4
